小瀬村真美「Classic −絵画の輪郭/Outline of a Painting−」
2021年9月10日(金)〜10月8日(金)木〜日曜日 13:00〜18:00
アーティストトーク|9月10日(金)16:30〜17:30
助成|公益財団法人 金子財団
《Drape》2013-14 ©︎Mami Kosemura
1階 展示風景:「Classic⏤絵画の輪郭/Outline of a Painting」 2021 ©︎Mami Kosemura
《白玖景図 Achromatic Landscape》2021 ©︎Mami Kosemura
《Objects – New York -》2016 ©︎Mami Kosemura
《解剖学的観察 Anatomical Observation》2020- ©︎Mami Kosemura
右奥壁面:《蝶 Butterfly》2008 / 2018-
©︎Mami Kosemura
中央:《薇 Sweet Scent》2003
©︎Mami Kosemura
2階 展示風景:「Classic⏤絵画の輪郭/Outline of a Painting」 2021 ©︎Mami Kosemura
私は既存の絵画の演出方法や構造を引用し、カメラを使用した絵画の模写とも言えるような写真作品、映像作品を制作しています。展示される全ての作品は一見絵画のように見えますが、実際には全て実物を撮影しながら制作されています。初期の代表的な古典絵画を基にした映像作品から近年の図鑑などの生活とともにある絵を基にした写真作品まで、これまでの「絵画」の謎をめぐるなかで結晶のように作品化した作品群を「絵画の輪郭」として皆様のお目にかけたいと思っています。
忘れられているような古い絵画を通して見えてくる、現代の私たちの視点とのズレやギャップは、その古い絵画を実際に現実の空間内に再現してみる事によって可視化されてゆきます。絵画から現実に起こされ、ズレとともに絵画へと戻す、私の作品は全てこうしたプロセスを経ています。虚構と現実が混濁した物を目の前にした際に起こるちょっとした迷いや違和感のようなものを感じていただけたら、そして普段よりも少し繊細に物を視る事を楽しんでいただければ幸いです。
小瀬村 真美
I make photographs and videos that could be described as camera-based replications of paintings, referring to the staging and structure of existing paintings. All the pieces in the exhibition look like paintings at first glance, but in reality, they were all created while photographing the actual objects. The pieces presented to you as “Outline of a Painting” have crystallized in my search for the mystery of “painting”, range between early video works based on classical paintings to recent photographic works based on pictures that are part of our daily lives.
The gaps and discrepancies between the perspectives of the people of the time and those of today, as seen through old paintings that have been forgotten, are visualized by actually replicating the old paintings in a real space. The original painting/fiction is replicated in 3 dimensions; space/reality and then returned to the 2 dimensional painting/fiction with intentional discrepancies. All of my pieces go through this process. I hope that you can feel the slight waver and unease that occurs when you are confronted with an image that is a muddle of fiction and reality, and I hope that you will enjoy looking at things with a little more delicacy than usual.
Mami Kosemura
小瀬村真美 / Mami Kosemura
東京藝術大学大学院美術研究科後期博士課程(油画)修了。写真の加工や絵画の構図などを巧みに利用した映像インスタレーションや写真作品を手がけ、国内外の美術展、映画祭で発表を続けている。膨大な写真ドローイングを つなぎ合わせる手法を用いてのアニメーション映像作品、そして近年手がける一見 絵画のように見える写真作品はそれぞれのメディアが内包する空間や時間の構造を 利用しながら、それを超える視覚表現を追求し、わたしたちの視点の位置、さらには存在の位置をゆさぶってゆく。2015年度五島記念文化賞を受賞し、2016-17年、ニューヨークにて海外研修の後、2018年には原美術館(品川、東京)にて個展を開催。【主な展示上映】2004「MOTアニュアル2004 -私はどこからきたのか/そしてどこへいくのか-」東京都現代美術館/2006「Projected Realities」Asia Society and Museum, NY(アメリカ)/2004「日本×画展」横浜美術館/2007「East of Eden」Freer Gallery of Art and Arthur M. Sackler Gallery (ワシントンD.C.)/2008「アジアとヨーロッパの肖像」国立国際美術館・神奈川県立近代美術館他/2009「INTERNATIONAL INCHEON WOMEN ARTISTS’ BIENNALE」(韓国)/2009「第一回恵比寿映像祭」東京都写真美術館/2013「Now Japan」Kunsthal KAdE(オランダ) /2013「再/生―映像が呼び覚ます第六感覚」水戸芸術館/2014「Kuandu Biennale 2014」Kuandu Museum of Fine Arts (台湾)2017「Past Forward」Carnegie Hall(ニューヨーク)【主な受賞歴】2005 野村美術賞(野村財団)/2015 五島記念文化賞美術新人賞(東急財団)【主な作品収蔵先】東京都現代美術館/東京藝術大学大学美術館/Asia Society and Museum/Kuandu Museum of Fine Arts/群馬県立館林美術館<ウェブサイトhttp://mamikosemura.com>
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[オンライン関連情報]
イメージフォーラム映像研究所 特別講座【スタジオ探訪 創作の秘密をさぐる】
小瀬村氏による作品解説が本展設営中の現場からオンラインにて発信されました。
https://summer2021tanbou0908.peatix.com/view
第一線で活躍する映像作家が自作を解説するとともに、制作現場や展示空間を紹介。 アニメーション、人形アニメーション、絵画、メディア・アート……。第一線で活躍する映像作家はどのような場所で作品を生み出しているのか。 いつもは見ることのできない映像作家のスタジオや制作現場をカメラが訪ね、作品が生み出される場所から作家自身が作品を解説。創作の秘密に迫る鑑賞講座。 イメージフォーラム映像研究所 ウェブサイトより